受け継ぐものは基本、だからこそ変化できるのです。
歌舞伎がその時代に適応した形を取れてきたのは、
本質のみを忠実に伝承してきたからだと思います。
中村吉衛門(歌舞伎役者)
皆さん、お陰様です。
お盆はいかがお過ごしでしたか?
私は、先祖と遠祖のお墓参りのために福島へ行ってきました。
実家にもどこにも寄らずに、とんぼ返りで行ってきました。
そんな中、今回初めて前職の会計事務所のN所長の墓参りにも行ってきました。生前に報恩ができなかった、との想いがあったので。
高校時代の担任と、バレー部の顧問の先生にもご挨拶行く予定を立てていたのですが、残念ながら、コロナでキャンセルとなってしまいました。
早く気兼ねなく人に会えるようになって欲しいと切に願います。
さて、恩師であるN所長に教えられた言葉に
「守破離(しゅはり)」があります。
新人時代の私は、生意気で、上司の言うことを聞かず、勝手に仕事を進めるタイプの人間でした。(今でもその性格は持ち合わせています。)
ある日、自分の意見が通らなければ会社を辞める覚悟で、背広の内ポケットに辞表を入れて、上司に楯突いたことがありました。そして、意見が通らなかったため、辞表を出し、その時は会社を辞めてしまったのです。
しかし、それから気持ちがすっきりしないまま仕事も探さずに、ふらふらと2ヶ月を過ごした頃、N所長から呼び出しがありました。
そして、「辞めることはいつでもできる。今は学ぶ時期、”守”の時期だ。」と教えて頂きました。
それが「守破離」でした。
猛反省した後に、復職をさせて頂き、気持ちを改め、素直な心で学び直すことができるようになりました。あの時に教えて頂いた教訓を、今でも忘れることはありません。
ウィキペディアでは、「守破離」を次のように説明しています。
”守破離は、日本の茶道や武道などの芸道・芸術
における師弟関係のあり方の一つであり、それらの
修業における過程を示したもの。
<中略>
個人のスキルを表すため、茶道、武道、芸術等、
あるいはスポーツや仕事等々において様々な成長の
プロセスに用いることが出来、以下のように当てはめる
ことができる。
・守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。
~自律的に作業を遂行できる(1人前)。
・破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
・離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。”
「守破離」の姿勢は、仕事で物事を実行するために最も大切な基本姿勢であると、独立をした後にも思い知らされました。
今でもそんな思いがあり、恩師のお墓参りに足を向けさせて頂いたように思います。感謝しても返せないので、次の世代にしっかりと報恩していきたいです。
一般社団法人まるの会代表理事 一條好男