MBKまんまる実践経営塾~ふらここ企業視察~

株式会社ふらここ企業視察

東京都中央区にある株式会社ふらここを訪問視察して参りました。新型コロナ感染防止を考慮し、参加者の皆様には企業訪問前に検温・アルコール消毒を受けて頂くなどして開催させて頂きました。

今回、このような状況下にも関わらず視察を引き受けて下さったふらここの皆様、またご参加頂いた皆様に心より感謝申し上げます。有難うございました。

今回訪問させて頂いた株式会社ふらここは2008年に設立され、雛人形・五月人形を中心とする日本人形の製造販売をしています。従来の日本人形は祖父母が可愛い孫に贈る物でしたが、一方、“ふらここ”では、若いお母様の好みに合わせて製作をしており、「顔」「形」「色」「サイズ」の全てが従来の雛人形とは全く違います。そしてこのような若いお母様の好みに合う雛人形・五月人形を製作するために女性中心の採用を行ってきた結果、ふらここは現在の社員29名中28名が女性という「女性主体」の会社です。

【100年続く未来の伝統を創るという強い想い】

皆様は「伝統」と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか。伝統というと多くの方々が古いものを守るというイメージを持たれると思いますが、時代を超えて古いものを守るためには、実は「変えていかなければいけません」と原社長は言います。その時代の人々に愛されなければ廃れてなくなってしまうからです。それゆえ常にその時代に生きる人たちに愛されるように変わり続けなければ「後世」に伝えていくことが出来ないと逆説的な宿命を持っているのが伝統だと考えているそうです。ひな祭りも端午の節句も1000年を超える長い歴史を持っています。その時代に合わせて変えてきた人たちがいるからこそ今日まで続いてきたのであり、その恩恵を享受しています。そして、この伝統文化が大きな節目を迎えており、長らく続いてきた形式を変えていかなければいけない時期に来ています。 この伝統文化の形式を変えることで後世に確実に伝えていくという強い使命を持ち、伝統文化の継承の使命を果たしつつ、今の時代に愛される人形づくりをしている会社が“ふらここ”です。

【社員の幸せを実現することが経営の目的】

会社の使命とはどのように社会貢献していくのかという存在意義であり、経営の目的とは経営者が何のために会社経営を行っているのかという経営者自身の人生哲学だと考えているそうです。経営者が社員の幸せを意識して、働く環境を整えていくことで自発的に考えて行動をしてくれるようになると、今まで取り組んできた様々な仕事を通して、実体験の中から知ったそうです。

①社員が生き生きと働ける環境を創ること
社内外の人間関係を良好にすることや、福利厚生の充実をはじめ、自分たちが提供する商品やサービスによって多くのお客様や関係者の方々が喜んで下っている充実感や達成感を持って仕事に取り組めるようにすることが大切だと考えているそうです。自分だけが満足すればそれでいいではなく、まず自分自身が幸せになり、そのうえで次は私も世のため、人のために貢献しているという実感を持って仕事が出来るようにする環境を創ることを大切だと考えています。

②社員を経済的に豊かにすること
経済的に豊かなことは幸せを実感するために必要不可欠な要件だと考えております。コロナ下で人形業界で深刻な状況にある中、決算賞与の支給をしており、これで6期連続で決算賞与を支給することが出来たそうです。毎年、社員の嬉しそうな顔を見るたびに、原社長自身もとても嬉しいと仰っていました。

③社員を人間的に成長させること
人生の多くの時間を費やす仕事を通して、社員が人間的にも成長していく環境を作ることが経営者の最低限の務めであるとのこと。これからも社員が生き生きと働き、幸せな人生を送り、お客様の喜びに繋がり、作り手である職人たちの生活の安定につながっていくように経営の目的を果たしていかなければいけないと考えています。

【顧客満足と社員満足は自転車の両輪である考え】

社員が仕事に誇りを持つことは勿論、職場の仲間や雰囲気に満足して初めてお客様に満足いただける質の高いサービス・商品開発が出来るのです。社員の満足を高めることで、心からお客様を大切にするというマインドが生まれます。29名中28名が女性社員である“ふらここ”では、「結婚」「出産」「子育て」という女性特有の事情で人生のライフステージごとに働き方を変えていくことをしっかり理解していました。女性社員の事情に合わせて働き方を変えていかなければ社員満足は得られず、真の顧客満足を提供することが出来ないと考えているそうです。そこで、取り組んだのが「ダイバーシティ経営」です。

<原社長を除いて全員が女性社員>

【はじめはできるところから一歩一歩】

①子連れOKな環境づくり
年4回実施される子連れ参加OKの社内行事に始まり、次に子連れ出勤を許可して、いつでも子供を自由に会社に連れてこられるようにしました。社員の子供と触れ合う機会を作ったところ、自然と家庭の事情を理解しあえる雰囲気が生まれたそうです。社員たちはお互いに子供たちの名前や年齢、家庭の事情まで把握しているので気遣い・助け合い、仕事に取り組んでいるとのこと。

②責務ある業務への女性社員の配属
社員には可能な限り裁量権を持たせ、責任を持って主体的に仕事に取り組んでもらうとともに、1部署に2名以上配属することで女性特有の事情で休みが出た場合にも、お互いにフォローし合える体制を構築してきました。

③労働時間の適正化
女性中心の会社であるので、家庭あるいはプライベートの時間を大切に考えているようで、残業・休日労働をしない方針で仕事を進めてきました。そのため、社員たちは計画的に就業時間内に業務を終えるように「PDCA」サイクルを意識するようになったとのことです。また、一部の社員に業務が集中しないように、役割分担を適宜見直すこともしているようです。

【女性社員ならではの福利厚生施策】

・育休早期復帰に関するインセンティブ手当
1歳未満のお子様を育てながら、働く社員の就労を応援するための手当てを用意しています。

・おたがいさま支援手当
時短勤務中の社員の業務を代替わりする社員の働きに報いるための手当てを用意しています

【3D活用による原型づくり~人形は顔が命~】

①若いお母様と同世代の若い女性社員の感性をダイレクトにモノづくりに反映
通常は熟練した職人が粘土をこねて原型づくりを行います。しかし、若いお母様と近い感性を持つ女性社員がそれを行うことでお客様の声をダイレクトかつ的確に商品に反映すことができるようになりました。

②顔の造形をあらゆる観点から多角的に分析
若いお母様に好まれる顔を科学的なアプローチによる商品開発が可能になったそうです。顔の造形を決める過程で目や鼻、口などの配置や大きさ、頬やあごのライン等の微調整を様々な観点からできるようになりました。

③データ修正がPCの画面上で容易
粘土で作った原型は、量産用の型を作るときに壊れてなくなってしまいます。販売後のお客様の反応を見て、商品に反映して販売したいと思っても、0から作らなければいけないが、PC上に3Dデータを保存できるようになってからは、そのデータを修正するだけで簡単に改良できるようになったそうです。

 

<実際に使われている3Dソフト>
<ターゲットである若いお母様のために、ショールームにはキッズルームを完備>

原社長の人形づくりに対する想い、社員への愛情が伝わり、またそれを実際に感じることができる視察となりました。日本人形という伝統文化を後世に繋げるため、「変わり続ける」ことが重要だと仰っていましたが、「子を想う親の愛」を提供していることが根底にあるからこそ、お客様のニーズに十分に答えるための取り組みとして、商品開発や社員の教育方法が変化しているのだと感じました。勉強会後は、グループディスカッションの時間を設け、それぞれの意見や感想を交わしながら、自社への取り組みについても考察しました。今回の学び、気付きを今後に活かせるようにしていきます。

この度の視察勉強会にご協力頂いた皆様、ご参加頂いた皆様に重ねてお礼を申し上げます。

 有難うございました。

 

<勉強会後のディスカッション>

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