2020年も残すところ一カ月を切りました。振り返れば今年は困難と、そして挑戦の一年でした。困難とは、今なお猛威を振るう新型コロナウイルスがもたらした社会的混乱です。コロナ禍で我々の生活は、変化せざるを得なくなりました。しかしだからこそ、新たな方法、可能性を模索し、それに挑戦をする機会ともなりました。

 今回のまるの会 望年会は、まさしく挑戦の集大成と呼ぶにふさわしい内容でした。ホテル会場でのリアル参加と、zoomを駆使したオンライン参加の同時進行は初の試みとなり、コロナが終息を迎えた今後にも十分に活用ができる仕組づくり、資産となりました。

 今回の望年会で特に印象的だったのは、オンライン参加について。例え僅かな時間でも講演を聞きたい、議題についてどのような回答をするのか知りたいと、平日にも関わらず多くのお客様にご参加を頂きました。それだけ講演者やパネリストの皆さまが魅力的であるという、確固たる裏付けでもあります。

【感染症対策に務めながら
多くの方々にご参加頂いた】

 第一部:基調講演では、オタフクホールディングス 株式会社 代表取締役社長 佐々木 茂喜(ささき しげき)様をお呼びし、お話を伺うことができました。「日本的経営を目指して」……そう称された講演は、まずオタフクホールディングスが歩んだ歴史から始まります。大正11年に酒と醤油の卸小売業からスタートした佐々木商店は、昭和に入ってソースの前進となる醸造酢の製造に着手します。当時より造船業が盛んで帝国海軍の軍港もあった広島では、食品加工業の普及が求められていました。世間のニーズに応え、順調に経営をしていた佐々木商店でしたが、原爆によりすべてを失います。焼け野原となった広島で、しかし当時の従業員たちが諦めることはありませんでした。「これからは洋食の時代が来る」確固たる将来のビジョンを持って、ソース製造を開始します。「オタフクソース」の始まりでした。

 オタフクホールディングスには理念がある、佐々木社長は言います。それは「モノ売りでなく、コト売り」。単にソースを売るのでなく、従業員が現場に立ち、人と直接言葉を交わす、コミュニケーションを行うことでお好み焼きを世に広めること。お好み焼きの店を持ちたい人に開店講習を行ったり、スーパーでの試食販売やお好み焼き研修センター設置、工場見学等がその具体例です。人を大切にしているオタフクホールディングスですが、それは従業員にも当てはまります。グローバル・スタンダード(企業の効率優先)と同じくらい、ジャパニーズ・スタンダード(社員の環境優先)に比重を置く。日本人が持つ想像力や利他の精神、地域性や独自性等の優位性を活かし、それを企業経営に積極的に取り入れる。取り入れた結果、オタフクホールディングスは国内外でも人気を博す、現在の地位を獲得するに至ったのです。ひいてはそれが、佐々木社長が目指す、日本的経営の姿なのです。

【想いを語る佐々木社長】

 第二部:「まるの会」通信では、まるの会 代表の一條が経営理念や今年の活動実績を報告しました。「私たちは、お客様と物心共に豊かな人生を歩みます」まるの会ではそれを経営理念に、経済面・教養面・健康面・社会生活面・精神面・家庭生活面、所謂人生の6分野からお客様をサポート支援し、活動を行っています。その中から今回は経済面に焦点を当てました。コロナ禍で社会が大きく変化していく中で、我々まるの会は何ができるのか? まるの会の会員には、黒字経営をされている経営者の方が多く在籍をしています。その方たちには共通点がありました。即ち、我々が掲げる、物心共に豊かな人生を歩もうとしていること。まるの会は共通の高い志を持ち、自分や会社、ひいては社会にプラスの影響を与えることができる人々の集まりなのです。だからこそ、そんな仲間たちと共に成長ができる「場」―「未来ビジネス研究部(通称MBK)」を今年立ち上げることができたのです。これもまた、まるの会の挑戦のひとつです。八天堂、ネオレックス、日本ウエストンと、今年はまるの会の理念に賛同を頂いた数多くの企業に訪問し、現場の声や経営者の方々との意見交換を通じて、親交を深め成長をしてきました。来年からは企業視察と座学を組み合わせることで、より実践的な学びから高みを目指します。

 第三部:パネルディスカッションでは、「コロナ禍、後の経営者としての在り方、心構え」をテーマに、オタフクホールディングスの佐々木社長や多くの経営者の方々をまじえて闊達な議論が交わされました。

【ファシリテーター】

株式会社 イマージョン 代表取締役社長 藤井 正隆(ふじい まさたか)様

【パネリスト】

オタフクホールディングス株式会社 代表取締役社長 佐々木 茂喜(ささき しげき)様

有限会社 原田左官工業所 代表取締役社長 原田 宗亮(はらだ むねあき)様

株式会社 黒木本店 4代目社長 黒木 敏之(くろき としゆき)様

株式会社 武蔵境自動車教習所 代表取締役社長 髙橋 明希(たかはし あき)様

ChatWork 株式会社 創業者 山本 敏行(やまもと としゆき)様

株式会社 岸田総合事務所 代表取締役 岸田 憲一(きしだ けんいち)様

 各人の自己・自社紹介から始まったパネルディスカッション。年齢や業種も異なる中で、皆さまが共通して話題に上げていたのは、海外進出等グローバル且つ広い視野を持って行動をすること。飽くなき挑戦を続けるということです。また人材育成のテーマについては、今までなかった部下と積極的に話す機会を新たに設けること、部下と話した上で彼らが何を目指し、何を考えながら、何を目指しているのか、徹底的に掘り下げたり、現場でのOJTは勿論のこと、事前にビデオ研修を実施することで、手厚いフォローアップ体制を築く等、様々な意見が挙がりました。「最近の新入社員は確かに支持待や大人しい子が多いかもしれない。だが、地域貢献や社会貢献、地球環境問題に取り組む彼らの姿はとても真摯だし、物事に真剣に向き合う本質自体は自分たちが若い頃と変わっていないと思う。時代の変化と共に、教育や指導の方針も変わっていく。我々も何事にも挑戦をし、適応していかなければならない」という感想が印象的でした。

【会場では闊達な意見交換が行われた】

 今年はまるの会にとって困難と、そして挑戦の一年となりました。

 絶えず挑戦することを忘れることなく、お客様と物心共に豊かな人生を歩むことを、引き続き来年もまるの会は目指します。